AAASって何だろう【カセイジンの見る科学技術政策の論点・その1】

昨年12月から検討を開始した日本版AAAS設立準備委員会βがようやく形になり、先週公開となった。多くの賛同者の方からの暖かいコメントをいただく一方で、「日本版AAASというが、そもそもAAASって何のこと?」という質問を受けることも多い。組織発足の提案において米国の組織であるAAASからインスピレーションを得ているため、「日本版AAAS」を仮称として用いているが、正式な会の名称は後日賛同者の方々と一緒に決めていくプランだ。この記事では、AAASについてよく知らないという方のために、簡単に参考として会の成り立ちを解説しておこうと思う。

熱量がある人を巻き込み、学問のために共に活動する場をいかにして作り、広げ、継続するか?〜サイエンスアゴラ2020の登壇記録〜

日本国内には、学問の課題を共有することを通じて、研究者が社会の様々なステークホルダーと連携して活動する場を設けようとする個人や団体が既に数多く存在しています。サイエンスアゴラ2020のオンラインイベント「集合知ネットワークの構築に向けて〜効果的連携のあり方を探る〜」では、全国各地でそのような活動に取り組んでいる方の中から7名を一同に集めて、対話を通じた統合的な集合知ネットワーク構築と実装の可能性を探るためのセッションが行われました。

第3回定期ミーティング

2020年10月2日、19名が出席。報告事項は以下の通り。

  • 各ワーキンググループの活動状況について
  • 9月23日の梶田隆章氏との打ち合わせについて

日本版AAAS準備委員会は共同代表制(男女1名ずつ)をとることとし、2020年度末までの委員長の候補として小野悠氏と馬場基彰氏の名前が挙がった。後日、信任投票を行うこととした。

その他、Webサイトの設置とコンテンツの確認手順について議論した。

サイエンスアゴラでの企画についてミーティング

2020年9月15日、9名が出席。協力を打診されている2020年11月のサイエンスアゴラでのセッションについて、どのような企画にするべきか議論した。また、その後に日本版AAAS準備委員会としての開催を構想しているイベントについて、どのようなものにするべきか議論した。

第2回定期ミーティング

2020年9月3日、19名が出席。以下について報告を行った。

  1. 提案書作成・仮称検討・準備委員について
  2. サイエンスアゴラでのイベントについて
  3. 法人化・定款作成について
  4. Science Talks TV について

今後の運営体制として、5つのワーキンググループ(WG)を設置することとした。

第1回定期ミーティング

日本版AAAS設立に向けて着実に準備を進めていくために、定期的にミーティングを開催することとした。第1回を2020年7月27日に開催。20名が出席。議題は以下の通り。

  1. これまでの経緯と現状の確認
  2. 法人化実務プロジェクトの現状と今後についての説明
  3. 研究者個人や各種学協会に向けた日本版AAASの提案方法について
  4. Science Talks TV との協力についての説明
  5. 今後の定期ミーティングの頻度と時間帯について

日本版AAAS設立に向けて、準備委員を明確にし、Webサイトの設置を進めることとした。

法人化実務プロジェクト開始

2020年4月28日から2020年5月5日にかけて、法人実務プロジェクトについての投票を開催し、日本版AAAS(仮)法人化実務プロジェクト企画書に基づき、法人化実務プロジェクトを進めることが承認された。

投票終了時点でのチームコミュニケーションツールのメンバー 47名のうち29名が投票し、28名が「承認する」、1名が「承認しない」という結果となった。投票者数の過半数が承認したことから、承認されたものとした。

本投票に対して、以下のコメントがあった。

  • 「日本版AAAS」の理念と具体的な形態、機能についての議論が熟していない段階で、法人化作業を先行することに違和感があります。
  • また、これまで日本版AAASづくりを提言してきた先行者や科学・技術に関わる主要団体の関わりがほとんどない状態で小さな法人をつくっても、その後の拡大は期待できないと考えています。

法人化実務プロジェクト企画書ミーティング

2020年3月27日、日本版AAAS(仮)法人化実務プロジェクト企画書について5名で質疑応答を行った。

質疑を受けて企画書を改定し、改めて意見を募った後、本プロジェクトの進行について投票を行うこととした。

第3回意見交換会

新しい活動メンバーを交え、チームコミュニケーションツールにて事前に意見交換した後、2020年2月11日、24名(うち12名はWeb会議サービス経由)で対面での意見交換会を開催した。

出席者の自己紹介、これまでの経緯の説明、主旨(暫定版)と概要案に対する意見収集した後、今後の方針について意見交換を行った。

活動メンバーが増えたことを踏まえ、概要案にある活動例の中から、1つずつ着手し始めることとした。

第2回意見交換会

2019年9月28日、2回目となる意見交換会を7名で開催した。

第1回意見交換会の後、現在の日本における問題点、日本版AAASの目的としたいこと、自身がやりたいこと、やれることなどについて各自の考えをまず共有した。その結果を踏まえ、日本版AAASの趣意書の案を作成し、参加者で検討した。

以後の方針として、まずは新たにメンバーを募る必要があると判断し、そのための日本版AAAS概要案と主旨の完成を目指すこととした。