FAQ

日本版AAAS設立に向けて、声かけの際によくあるご質問について回答をまとめました。

Q1. 日本版AAAS設立準備委員会と設立後の組織の関係はどのようになりますか?

A1. 日本版AAAS設立準備委員会は、賛同する方々との十分な議論の上、組織の仕組み作りの準備を行い、その仕組みに則って組織が正式に設立された後に、解散をする予定です。


Q2. 組織を立ち上げたとしても、十分な数の参加者を集めることができるでしょうか?

A2. 集めることができると考えています。年会費を支払い総会で発表を行うような「正会員」の他に、年会費無料でネットより要望や意見を述べたりアンケートに回答する「ネット会員」として、科学の振興に興味を持つ人であれば、誰でもご参加いただくことができるような仕組みが検討されています。


Q3. 日本学術会議を通じて様々な問題を解決するという可能性は検討しないのでしょうか?

A3. 組織・参加者のタイプや会の規模などが異なり、問題意識やその解決のための方法なども異なる部分が大きいため、日本版AAASのような組織を新たに立ち上げる必要があると考えられます。現在の日本学術会議は、「優れた研究又は業績がある科学者」をその会員・連携会員が推薦・選出する方式をとっており、そのような研究者が会を構成しています。日本版AAASでは、「優れた科学者」のみならず分野、組織、職種・職階、世代の垣根を超え、科学の振興に意欲を持つすべての人々が参加できる組織となることを目指しており、研究者コミュニティの大半を占める一般研究者や学生・ポスドク・特任教員や、研究を支え応援する研究関係者や一般国民も参加することが想定されます。また、日本学術会議は「日本学術会議法」で定められ、内閣総理大臣所轄で経費が国庫から支出される組織であるのに対して、日本版AAASは民間の法人の形態をとることを予定しています。

例えば、日本の科学の危機をもたらしている最も大きな要因の一つは、若手の参入の急激な減少ですが、これを解決するには研究者コミュニティの大半を占める研究者や一般社会のニーズ・意見を十分に集約し実現する必要があります。そのためには、そのような人々もメンバーとして参加し、意見を述べ、主体的で自由に活動することのできる組織が存在することが有効と考えられます。


Q4. 新しい組織を立ち上げた場合に、日本学術会議と競合するような状況になることを懸念しますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか?

A4. 競合ではなく、連携・協調を目指します。日本学術会議は、「科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命」としていますので、その目的は日本版AAASのものとほぼ同様です。したがって、競合するということではなく、むしろ足りない部分を補完するようなものとなることを想定しています。


Q5. 様々な学会連合がありますが、これらとの関係はどのようにお考えでしょうか?

A5. 日本には各分野の学会連合は存在するものの、すべての分野を束ねるような学会連合は存在しません。日本版AAASでは、「連携学会」ないしは「協力学会」のような仕組みを導入することにより、分野横断的な学会連合の機能も兼ねることを想定しています。


Q6. 活動のための資金はどのようにされる予定でしょうか?

A6. 活動のための資金として、1) クラウドファンディングや企業からの寄付、2) 正会員からの年会費、3) 総会などでのイベント収入(発表者からの参加費、入場料、企業展示など)、4) ジャーナル運営による収入、5) 調査研究、第三者による調査委員会、報告書の評価等の受託による収入、などを想定しています。


Q7. 研究者のキャリアパス問題や、研究費の不安定性の問題など、これまでの研究者コミュニティが改善できなかった諸問題について、日本版AAASが取り組む上で、何か具体的で実効性のある方法の案をお持ちなのでしょうか?

A7. 日本版AAASでは日本の科学に関連する諸問題について、広く研究関係者コミュニティの声やアイデアを集約し、政策の決定を行う政治家や行政の担当者の方々と密接にコミュニケーションをとる「アドボカシー」を行うことを、その活動の柱の一つとして考えています。科学技術政策について「提言」のようなものを一方向性に発するだけではなく、政策担当者の方々とのオープンで透明性のある対話の中でその実現・社会実装を目指します。


Q8. 「総会」は、どのようなものをお考えでしょうか?

A8. 日本版AAASの総会では、1) 個人の研究者が行う一般向けの科学コミュニケーションとしての研究成果や計画の発表、2) 連携学会・大学などによるその分野や組織のアピール、3) 企業による研究成果や研究の取り組みについて発表・展示、4) 科学に関連する諸問題についてシンポジウムやワークショップ、などを、ネットを最大限活用しつつ行うことが検討されています。研究者と社会、異分野の研究者の交流の場としての祭典のようなものがイメージされています。


Q9. 日本版AAASを代表する意見あるいは提言に関する意思決定はどのような仕組みで行われるのでしょうか?

A9. 主に選挙で選出される理事、評議員で構成される理事会、評議員会、正会員の参加する総会などによって意思決定がなされることを想定しています。また、正会員、ネット会員などの意見を迅速に集約・反映・公開するためのアンケートシステムを整備し、評議員会、理事会、各種委員会の議論の過程は原則的に記録・公開することで透明性を確保します。意思決定の仕組みの詳細については、意見を広く募り、十分に反映させた上で定めることが予定されています。


Q10. 日本版AAASの利益相反ポリシーはどのようなものでしょうか?

A10. 評議員のように直接意思決定に関わる会員が開示すべき利益相反について現在検討しています。また、日本版AAASの活動範囲が広がることを通じて、管理すべき利益相反もまたそれぞれの分野で異なることが予想されます。これらについてもその都度検討いたします。