熱量がある人を巻き込み、学問のために共に活動する場をいかにして作り、広げ、継続するか?〜サイエンスアゴラ2020の登壇記録〜

日本国内には、学問の課題を共有することを通じて、研究者が社会の様々なステークホルダーと連携して活動する場を設けようとする個人や団体が既に数多く存在しています。サイエンスアゴラ2020のオンラインイベント「集合知ネットワークの構築に向けて〜効果的連携のあり方を探る〜」では、全国各地でそのような活動に取り組んでいる方の中から7名を一同に集めて、対話を通じた統合的な集合知ネットワーク構築と実装の可能性を探るためのセッションが行われました。

本セッションは日本版AAAS設立準備委員会メンバーの一人でもある国際高等研究所の駒井章治が主催、司会を務めました。それぞれ、日本学術会議の活動を連携会員の遠藤薫氏(学習院大学)が、「超異分野学会」の活動をリバネスの高橋宏之氏が、ニコニコ学会βの背景とフィソロフィーを芝原暁彦氏(恐竜学研究所 客員教授/産総研発ベンチャー「地球技研」所長)が紹介しました。日本版AAAS設立準備委員会からは馬場基彰が、ScienceTalks(サイエンストークス)の活動については湯浅誠が紹介しました。また、国際高等研究所の客員研究員であり、京都大学学際融合センターの宮野公樹氏が学際融合活動における自らの実践とビジョンを語りました。

活動内容も方向性も多様ながら、「交流の場を設ける」というキーワードで共通する7名の登壇者。ディスカッションでは、「活動をサステイナブルにするためには?」「広く多様なコミュニティに認知してもらうには?」「初期メンバー内で閉じず、外に開かれた活動にするためには?」「活動を柔軟に変えていくことは難しい」といったトピックが飛び出しました。

共感し合う個人や団体が横につながり、新たなネットワークを次々につなげていくにはどうすればいいのか?科学と社会をつなげるために何かをしたいという熱意のある人たちを発見し、彼らを巻き込み、共に活動するためにはどうしたらいいのか?短いセッションの時間では具体的な方策までは議論できませんでしたが、現在活動している団体や個人が一同につながり、今後の連携の可能性を探るきっかけになったのではないでしょうか。セッション後、芝原氏には日本版AAAS設立準備委員会に加わっていただくことになりました。

ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

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